Art Critique and Joy

MEMO、喜べないという成長の証拠

とある作家さんの言葉

メモ用に書き残しておこうと思う。村上龍さんという作家が亡くなった。前にも書いた気がするが、俺はなかなか本が読めない時期がずっとあった、そんな中で「コインロッカー・ベイビーズ」という本があって(上下巻かな?)なぜか知らないのだが、この本は一気に読んでしまった事がある。狂気な世界感に引き込まれて読みきった記憶が残る。

とはいえ、彼の本はこれしか読んだ事がない。俺は、この作家さんのことをよくしらない。ただ亡くなったのが最近というのもあり、最近の時事として、SNSを見れば、生前の映像が流れている。後追いだが、こんな人が書いた本だったのか、と思うと同時に、何かを世界に残していった人ってのはやはり面白いなぁとも思う。特には坂本龍一さん(音楽家)とのセッションの映像(下記)は面白い。だいぶ仲が良かったらしい。

坂本龍一氏

この人も、少しだけ接点がある。どうやら同じ幼稚園にいっていたようだ。この人は3歳くらいですでに作曲をしたり、とすでに才能がある人だったようですが、この幼稚園自体も創造豊かな教育方針で5歳くらいからソルフェージュを学んだり音楽の作曲までやる幼稚園。しかし実は俺自身というと絵にも音楽にもいい思い出がない。。。絵もピアノも下手くそで、先生もイライラと怒らせるし、時にはイライラさせすぎて俺がまだ鍵盤に指を置いているのに発狂した先生がピアノの蓋を閉めようとした事もある、笑。家でも同様に怒鳴られ続け、劣等生まっしぐら。笑えるほどに、同じ幼稚園に通った結果が違いすぎる。でも遠い存在ながらも、親近感がある。YMOの残り二人も同じ学校卒業で、このグループにも昔から親近感がある。(それにしても、俺のようなよくもまぁ奴が大人になってアーティストになろう、絵を描こう、など思ったものだ、と不思議に思う、笑)

「喜べない」

そんな映像の中で、村上龍さんが「おれは最近喜べない」と坂本龍一さんに打ち明ける。以前は何かしっくりくる文章が書けた時に気持ちが最高に高揚して、お酒をのみ、カラオケを2時間くらいしてしまうくらいに絶頂感をあじわっていたのだが、歳をとって思うことでいうと、今はそこまで喜べない。(うつにもなる)。すると坂本氏は「喜ぶってのはご褒美でしょ」と端的に答える、俺にとってその一言はなんというか今まで真っ暗で締め切っていた部屋、その部屋のカーテンをドバーンと広げ太陽の光をドカーンと部屋に招き入れるような、そんな差し込んでくるパワーをもった言葉だった。

成長

たしかに!ご褒美。ゆえに坂本氏が続けて言うのは「いまは簡単に自分にご褒美をあげなくなった、イコール、自分が成長している証拠でしょ?」という。「喜びの閾値があがっているだけだ」。村上氏も言う「序盤で、盛り上がりすぎたら、作家は長丁場、シンプルにもたない、だから気持ちを高揚させて大喜びする事ができない」という。これも心に響くやりとりだった。どんどんできるようになればなるほど、俺自身も、喜べなくなった自分に窮屈な気持ちを覚えた事が幾度となくある。

「自分を褒めてあげてください」という言葉

自分はどうしようもない奴で才能もないと言われてきたし自身もそう思ってきたから、人よりも頑張らないといけない、と戒めて生きてきた。自分を褒める?皆目見当もつかない案件だった。一方、俺はまだまだだ!と生き続けるってのは単純にしんどい。この疲弊の解消方法について何も解決した事はなかった。

でも彼らは言う「喜ぶ、は理性ではない。脳幹脳の奥深いところからくる。そして、ご褒美だ」という言葉を聞いて、ん?待てよ!おれはたくさん喜んできたことがある!と言うことは、自分にちゃんとご褒美はあげてきてはいる、と初めて思えた瞬間だった。俺は脳の奥底からくる、この噴火のような力を味わって、喜ぶことはできている。なにか嬉しく思えている。

喜べないという成長を楽しむ

喜びの閾値が高くなっている、こんな「喜ばしい」ことはないかもしれない。俺は成長している。
今後は矛盾に聞こえるかもしれないが、自分のレベルが上がり簡単には喜べなくなっている自分の成長を喜ぶ、そんな楽しさ、こそいいな、などと思う。
今後一つだけこうしたいという事があれば、それは、喜べる瞬間があれば、必ず見逃さず、謳歌して喜びたい、心からそう思う

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